中国で日本語教師として働く場合、就労ビザの取得が必須です。
その就労ビザ取得には様々な書類が日本側でも中国側でも必要で、ビザ申請までに様々な段階を踏んでいきます。
とても面倒なうえに、ウェブ上での情報も限られるため、多くの人が混乱の渦に巻き込まれているようです。
ビザの申請については、規則や必要書類など一定ではなく、変更の可能性もあるのでこのブログの内容が全てではないですが、一つの経験談として読んでいただければ幸いです。
私は、大阪に住んでいて住民登録している住所は徳島なので、大阪だったり徳島のケースを中心に書いていきます。
またこの記事を書いている時点では、私自身もビザ申請の準備の真っただ中ですから、進行に従って記事の内容もアップデートしていこうと思います。
中国の就労ビザ(Z)の申請に必要なもの
- オンライン記入した「中华人民共和国签证申请表」
- パスポート原本及び写し
- 下記のうちいずれか
- ◎「外国人工作许可通知」の写し
- ◎中国海洋石油集団有限会社が発行した「外国人从事海上石油作业邀请信」の写し
- ◎市場監督管理部門が発行した「外国(地区)企业常驻代表机构登记证明」の写し
- ◎文化観光部国際交流合作局が発行した「外国文化中心聘任工作人员确认函」原本及び写し
- ◎文化観光部が発行した「代表资格确认函」の写し
- ◎文化と観光行政部門が発行した商業性文芸演出承認書類の写し(90日以下の短期商業性文芸演出の場合は「外国人在中国短期工作证明」も必要となります)。
参考:中国ビザ申請についてのお知らせ(2023年3月14日更新)
参考:各種ビザにおける申請書類
1.「中华人民共和国签证申请表」
これはビザ申請書のことです。
この申請書について、オンラインで作成します。
ではどこで作るかというと、東京・名古屋・大阪管轄の方は、各管轄の中国ビザ申請サービスセンターのウェブページ上で作成します。
その他の管轄地域の方は、それぞれの担当領事館の案内に従って、オンラインで作成してください。
私の場合は大阪管轄なので、中国ビザ申請サービスセンター(大阪)から作成しました。
具体的な記入例や作成方法は、また別の機会に「ビザ申請編」のページを作りたいと思います。
2.パスポート原本及び写し
これは、渡航時に使用するパスポートを持っていきます。
ただし注意として、過去に中国ビザを取得したことが有る場合などは、過去のパスポートも必要になる場合があります。
申請書記入時に、過去にビザを取得したことが有るかを問われ、その時のビザ番号も入力します。
それが過去のパスポートのものだった場合は、過去のパスポートの提出も求められるようです。
以下に旅行会社が出しているアナウンスの引用を示しておきます。
現在中国は渡航履歴を厳しくチェックするようになっております。特に2015年1月1日からビザ取得時までの渡航履歴によっては、「長い期間のビザが取れない」や「ビザ自体が一切取れない」といったケースがございます。この為、現在使用されているパスポートが2015年から今日までに発行されたものの場合、2015年1月1日から今までの渡航履歴が確認できるように旧パスポートも申請時にご提出いただく必要があります。
引用:旧パスポート提出について HRC中国ビザセンター
引用元のページを見ると、過去のパスポートが提出できない場合の理由書のフォーマットもあります。
3.「外国人工作许可通知」
書類集めの中で混乱の元凶となっているのが、これ。
日本語教師に関しては、この「外国人工作許可通知」は中国の大学の事務方が準備します。
そして、この「外国人工作許可通知」を取得するためにも様々な書類が必要となってきます。
その書類の取得には、時間もお金も要します。
ビザ申請のための行動としては、まずはこの「外国人工作許可通知」を取得するための書類集めから始まります。
概要をまとめたページを別に作りました。
また「外国人工作許可通知」に必要な書類の個別のページも作りました。こちらも見てみてください。
中国の就労ビザ(Z)の申請にかかる時間
私の住んでいる大阪での中国ビザ申請には、予約が必要になりました。
そして、その予約が大変取りにくいです。
申請さえできてしまえば、受け取りは普通申請で4営業日後です。
この記事を書いている7月11日時点で、個人申請の申請予約できる最短日が、9月6日。
およそ2か月後となっています。東京よりもひどい状況。
中国の新学期は、例年8月下旬から9月の頭。私の学校も今年は、8月28日から始まります。
これを書いている時点で、ビザ申請予約をしていない人は、個人申請なら完全に間に合わないでしょう。
そこで、ビザ申請を少しでも早くするための方法を考えてみました。
ビザ申請予約を早く取るための手段
ビザ申請代行の旅行会社を利用する
実際にビザ申請の予約をしようとした方は分かると思いますが、ビザ申請の予約は、個人予約と旅行会社予約に分かれています。
この記事を書いている7月11日時点で、個人申請の申請予約できる最短日が、9月6日。
しかし、旅行会社予約の方は、最短日が、8月8日となっています。
ビザ申請の予約には、旅行会社の枠が取られていて、明らかに個人申請は後回しになっています。
どの旅行会社を使うか
現在、申請代行をしている旅行会社にも依頼は殺到しているようで、一部の旅行会社は、受付を停止しています。おそらく普段付き合いのある法人の出張のためのビザ申請で手一杯で、フリーで来る個人には対応していられない、ということなんだろうなあと思います。
下の画像は、日系の旅行会社「IACEトラベル」のホームページの案内です。
ではどこがいいのだろうか。
2015年7月とかなり古い案内ですが、東京の中国大使館では、以前ビザ申請について旅行会社を使うようアナウンスもしています。
領事部での個人申請は申請件数が多く,待ち時間も長くなるため,一部の申請(ビザ,認証及び公証の一部―パスポート原本とコピーの公証,永住,居住)については旅行会社を通して代理申請を行って下さい.旅行会社が領事部からの指定を受けていない場合は,指定旅行会社を通じて領事部への申請が必要です.指定旅行会社については以下をご参照下さい.
引用:旅行会社での代理申請について 中華人民共和国駐日本国大使館
この中に、指定旅行会社という言葉があります。
そして、そこに並んだ旅行会社は、中国系の旅行会社が多くを占めています。
指定旅行会社のリスト(東京管轄の旅行会社)は、引用部分のリンクから見てください。
この中でも、㈱華聯旅行社や中国国際旅行社は、華僑総会が経営主体だったり中国では規模の大きな旅行会社です。日本各地に支店もあります。
というわけで、自分は大阪に支店のある両者のどちらかにしようと悩みました。
大阪華聯旅行社
結局のところ、株式会社 大阪華聯旅行社に決めました。
決め手となったのは、ホームページで謳っていたメリットとその場所。
場所は、中華人民共和国駐大阪総領事館と同じ場所にあります。
そして、惹かれたそのメリットとは…
この画像にある通り。「中国総領事館と密接な関係があり、」という部分。
しかも、困っている旅行会社にも「是非お問い合わせください!!」という一文。
ええ、期待しますよ、見えない力を笑。
ということで、私は、大阪華聯旅行社へと代行のお願いに行きました。
代行手数料は、13,500円でした。
またこの顛末は、ビザ申請が終わり受け取ったら書きたいと思います。
ちなみに大阪華聯旅行社のページに検索から入ると、変なページに飛ばされるので、リンクは貼りません。Googleのキャッシュのところから見ました。
いかがでしたか。大阪ではビザ申請予約がかなりキツイ状況になってます。
先日、領事認証にビザセンターへ行きましたが、エレベーターホールで電話している方で「書類の準備がダメで申請できんかった」などという声をたまたま聞いてしまいました。
この方はおそらく予約の取り直しになって、個人申請ならさらに2か月先、申請によっては書類は3か月以内のものとされているので、下手したら書類そのものをまたゼロから準備となってしまうようです。地獄です。
代行会社に頼むメリットは、予約枠があること以外に、お金がかかるものの申請書類のチェックを慣れた担当者がしてくれることもあります。
特に交通費のかかる地方の方は、指紋採取で一度は行かなきゃいけない可能性もありますが、確実な申請と受け取りが郵送でしてくれることを考えれば、旅行会社の代理申請を考えてみてもいいのではと、思いました。