今回は「外国人工作許可通知」の申請に必要となる「犯罪経歴証明書」(無犯罪証明書)取得の話です。
私は日本国籍で日本居住なので、それ以外の方には経験談のところは参考にならないかもしれません。
なお「外国人工作許可通知」について概要のページを作りました。
犯罪経歴証明書に記載される「犯罪経歴」とは
この「犯罪経歴証明書」に記載されるものは、どんなものでしょうか。
行政書士の方が運営されているサイトには、以下のように書かれています。
犯罪経歴証明書に記載される「犯罪経歴」とは、罰金以上の刑の言渡しを受けた経歴のことをいいます。
よって、前科のうち、科料は含まれませんし、前歴も対象外です。
交通違反の反則金、少年法上の処分(保護観察、少年院送致、など)も該当しません。
なお、略式命令による罰金は含まれますし、執行猶予も含まれます。
また、犯罪経歴を有しないとみなすものとして、犯罪経歴証明書発給要綱は以下のように定めています。
次の(1)から(7)までのいずれかの場合に該当する申請者は、当該(1)から(7)までに規定する犯罪については犯罪経歴を有しないものとみなす。
(1) 刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過しているとき。
(2) 禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を受け、罰金以上の刑に処せられられないで10年を経過しているとき。
(3) 罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を受け、罰金以上の刑に処せられないで5年を経過しているとき。
(4) 恩赦法(昭和22年法律第20号)の規定により大赦若しくは特赦を受け、又は復権を得たとき。
(5) 道路交通法(昭和35年法律第105号)第125条第1項に規定する反則行為に該当する行為を行った場合であって、同条第2項各号のいずれにも該当しないとき。
(6) 少年法(昭和23年法律第168号)第60条の規定により刑の言渡しを受けなかったものとみなされたとき。
(7) 刑の言渡しを受けた後に当該刑が廃止されたとき。引用:犯罪経歴証明書発給要綱(警察庁)
前科と前歴
前科と前歴は、同じように見えますが法律用語として正確には異なった意味をもっています。
以下は、専門家の解説サイトから引用しています。
前科とは
「前科」とは、刑事裁判の被告人として有罪判決を言い渡されて、その刑が確定したことがあるという経歴を指します。
懲役・禁錮のように刑務所へと収監された経歴を意味すると誤解している方も少なくありませんが、刑罰を受けた経歴を指すものなので、罰金・科料といった金銭徴収の刑罰でも前科になります。
なお、軽微な交通違反を犯した際に納付する「反則金」は、反則金を納付する代わりに刑事手続きを免除するものであるため、前科にはあたりません。
前歴とは
「前歴」とは、警察・検察庁といった捜査機関から犯罪の容疑をかけられて、捜査の対象になった経歴を指す用語です。
逮捕された・逮捕されていないといった点は関係なく、事件を起こして警察沙汰になったものの被害者に許しをもらえて厳重注意で済まされた場合や、送致を受けた検察官が不起訴処分を下した場合などでは「前歴あり」となります。
ここまで見ると、刑事事件の被告人となって起訴されて、裁判所で刑の言い渡しを受けたことがない人は心配ない、と言えそうです。
どこで取得するのか
「犯罪経歴証明書」が取得できるのは、日本に居住している場合は住民登録している都道府県の警視庁および道府県警察本部のみです。
既に海外に転出した方で、日本にいる場合は海外転出前に住民登録していた都道府県になり、また海外にいる場合は、在外公館で取得できます。
1 警視総監、道府県警察本部長若しくは方面本部長(以下「警察本部長」という。)
又は警察庁長官は、現に日本国に居住し、又は日本国に居住したことのある者から証
明書の発給の申請を受ける場合には、別記様式第1号の犯罪経歴証明書発給申請書(以
下「申請書」という。)の提出を求めるものとする。ただし、申請をしようとする者
が外国に居住及び現在している場合は、別に外務大臣が定める様式の申請書の警察庁
長官への提出を求めるものとする。
2 日本国に居住する者の証明書の発給の申請は、その者が記録されている住民基本台
帳を備える市町村の区域を管轄する警視庁、道府県警察本部又は方面本部(以下「警
察本部」という。)に出頭して行わせるものとする。ただし、その者がやむを得ない
理由により当該警察本部に出頭することができない場合、又はその者が住民基本台帳
に記録されていない場合は、その者が出頭する警察本部又は警察庁において申請を受
けることができる。
3 外国に居住する者で日本国に現在するものの証明書の発給の申請は、その者が日本
国を出国する時までにその者が記録されていた住民基本台帳を備える市町村の区域を
管轄する警察本部に出頭して行わせるものとする。ただし、その者がやむを得ない理
由により当該警察本部に出頭することができない場合、又はその者が住民基本台帳に
記録されていない場合は、その者が出頭する警察本部において申請を受けることがで
きる。
4 外国に居住する者で外国に現在するものの証明書の発給の申請は、在外公館に出頭
して行わせるものとする。引用:犯罪経歴証明書発給要綱(警察庁)
自分の場合は、徳島県に住民登録してあるので、徳島県警警察本部へと申請に行きました。
申請のために持っていくもの
日本国籍で日本に居住している場合、申請に必要なものは、以下の3点。
自分場合は、パスポート・マイナンバーカード・学校からの発行依頼書を持っていきました。
証明書発給の必要性が確認できる書類
これは自分も事前に他の人のブログなどで調べましたが、ビザの申請書を持っていけば発行できた人や学校からの依頼のメールを見せただけで良かった人など、様々でした。
自分の場合は、大阪から徳島まで出向くこともあり失敗するのが嫌だったので、学校に正式の印鑑入りのレターを作ってもらいPDFファイルでメールで送ってもらいました。
自分がひな型を作って学校へ送りました。
それを基に実際に作成されたレターは以下のような感じです。
私の受け入れ先の学校の事務方は、依頼した翌日には作成したものを送ってくれました。
この辺の話が通じるかどうかは、事務員の能力次第のところもあると思います。
やったことがない・面倒なことに対して、放置したり嫌がったりする人は、結構中国には多いです。
申請の流れ
本人確認
持ってきたパスポートとマイナンバーカードなどで本人確認が行われ、取得の目的などを軽く聞かれました。
私は学校側に発行依頼のレターを作成してもらっていたので、それを提出しました。
正式な学校のレター形式だったので、まあ間違いないでしょう。
申請書を書く
申請書は、担当課の鑑識課に用意してありました。
見本を見ながら記入していきます。
申請目的のところは、「就労ビザ取得のため」と書きました。
ちなみに大阪府警は事前の申請書記入を推奨していて、申請書のPDFと見本がホームページにおいてあります。
犯罪経歴証明書発給申請書(記載用)はこちら (PDFファイル: 94.8KB)
犯罪経歴証明書発給申請書(見本)はこちら (PDFファイル: 212.1KB)
徳島県警の申請書もだいたい同じようなものでした。
指紋採取
申請書を書く机の横に指紋採取の機械がありました。
係官の案内に従って機械に指を置いて指紋を採取しました。
この指紋の字方法などが警察庁長官へ送られ、県警本部長が犯罪経歴証明書を発行します。
間違っちゃいけないものなので、かなり厳重に扱われますね。
以上で申請は終わり、「1週間後に取りに来てください」と言われ、特に預かり証などなく、手ぶらで帰りました。
全体の所要時間は20分程度、簡単でした。
各地によって書類完成までの時間は違うようで、東京や大阪は2週間程度かかるようでした。
申請者の少ない地方は、割とすぐできるみたいですね。