大学院を修了してから就職活動を始めましたが、自分は中国で外国人教師として働くことを決めていました。
そこで就職活動では、中国の大学の求人のみを探しました。
その際自分がどんな風に中国の大学の求人情報を探していたのか書いていきたいと思います。
いろいろな切り口があると思いますが、ここでは「日本語で探す」と「中国語で探す」の2つの切り口で書いてみたいと思います。
探し方は先人のブログを参考
日本語で探して契約までできるならだいぶ楽だし、条件等も見るときには日本語の方が理解が確実です。
それなのでやはり最初は日本語で求人を探しました。
求人を探す前に先人たちはどんな風に探していたのだろうと思い、まずは中国で日本語教師をしている人たちのブログを参考にしました。
参考になった中国にいる日本語教師のブログ
参考にしたブログを紹介しようと思います。いろんなサイトを見ましたが、自分にとって参考になった、面白かったサイトは以下の2つです。
どちらの方とも面識は全くなく、勝手に紹介させてもらいました。(スミマセン)
「日本語教師のいろはにほへと~中国の大学編~」
まずはこれ「日本語教師のいろはにほへと~中国の大学編~」さんです。
特に「い」(契約面)の各ページが参考になりました。
契約の流れだったり、次の就職活動に向けて今いる学校で大切にすること、就労ビザ手続きに必要な書類をそろえていく過程など、様々な記事があってこれからする事に対して想像することができました。
中でも、「中国の大学求人の3つの探し方」という記事の中の、「大学のホームページにアクセスする」という項目は、中国語で検索するときに参考になりました。
実際では、各大学の求人はここで書かれているように国际交流合作处のページに有ったり、外国語学院のページに有ったりと、一様ではなかったです。
しかし、どこを見ていくかのとっかかりとして各大学のページで探すというのは、とても大きな気づきでした。
「風の谷のクニヤメ☆中国編☆」
次はこちら、「風の谷のクニヤメ☆中国編☆」さんです。
このブログには、「期間工」というカテゴリーがあり、自分も期間工をしていたので勝手に親近感がわきました。
面接やビザ申請の話がいろいろと載っていて、これらの記事からもこれから自分が面接や契約していく姿を想像することができました。
他にも日記調で中国での生活の様子や期間工の話など、面白かったです。
日本語で探す
見ていた求人情報サイト
以上のブログ記事や、実際に自分で「日本語教師 求人 中国」などの検索ワードで探したサイトで主に見ていたのは、以下の3つのサイトです。
他にもありましたが、情報がこの3つと被っていたり中国に関して少なかったりで見続けたものはありませんでした。
それではよく見ていた順番から紹介していきます。
「日本語教師の集い」
中国の大学の日本語での求人情報としては、この「日本語教師の集い」が一番多いんじゃないでしょうか。このサイトの「日本語教師求人」のページは、一番よく見ていました。
サイトの運営は、E-Stream Pte Ltdというシンガポール法人のようです。
「日本語教師の集いとは」というページに大きく語学書の出版社では有名なアルクのロゴがあったので、最初はアルクのサイトと思いましたが、よく見たらこの貼ってあるロゴのリンクがアフィリエイトでした。
まあでも日本語で書かれた情報量は多く、「通途教育」や「吉藩教育諮詢センター」という仲介会社?からの求人や中国の大学からの直接の求人情報もありました。
「NIHON MURA(日本村)日本語教師・職員求人情報」
このサイト「NIHON MURA(日本村)日本語教師・職員求人情報」では国別でも選択できるので、中国を選んで中国の求人をピックアップしていました。
こちらは、大学からの直接の求人がほとんどでした。大学以外にも日本語学校や高校での募集も見ました。
サイトの運営は、日本村有限公司という台湾法人です。ただしドメインの所有者の名前を見ると日本人でした。
海外の求人に加えて、日本国内の求人情報が充実しています。
それに日本語教師採用説明会の主催者となっていて、いろいろな学校機関ともつながりがあるようです。
過去の募集情報も見られたので、遡ってどの大学がどれくらいの頻度で募集を出しているかや、どの時期に募集広告が多いかを見ていました。
また、過去の募集情報でも各大学担当者への連絡先が載っていたので、直近のものには期限が切れていても相手にメールを出したりしていました。
「日本語教育学会」
「日本語教育学会」の教師募集情報のページにも時々中国の大学の求人情報がありました。学会の加入者はどうしても大学院生や研究者が多いので、全体として求人に載っている要件は、院卒や博士号取得を要求するような高度人材向けのものが多かったです。
中国の大学に関しては、学士のみでも応募はできるものがほとんどでしたが、ここに情報を出している以上は院卒か既にキャリアのある実務家を優遇するような雰囲気を出しています。
教師募集情報のページは学会員でなくとも見られます。
ここには上2つのサイトには載ってこない中国の有名大学も求人情報にありました。
例えば人文系では中国のトップクラスにある中国人民大学など。
まとめ
自分は就職活動の際、3つのサイトをほぼ毎日チェックしていました。
中国には日本語を教える大学はかなり多いし、中国で日本語教師をしている人もそれなりの数がいます。その数のわりには、日本語のソースで公開情報として出てくるものはあまり多いとは言えません。
しかも各求人によって公開されている給料の額がかなり差がありました。
例えば、大連の大学は月6,500元の給料に対して、広東省の大学は月13,000元。ハルピンで11,500元だったり。また同じ都市の求人なのに、平気で1.5倍くらい給料が違ったりします。
こなす授業数で当然給料も変わってくると思います。
物価の差は南北や都市によってありますが、それを加味しても地方や学校間で差がありすぎます。
新卒からすでに中国にいる日本語教師と、皆がより良い条件の学校を探しているので、少しでも早く担当者へアクセスするためにも、各サイトは毎日チェックしていました。(学会のサイトは更新頻度が週1回ぐらいだったので、毎日見てもそれほど変わり映えしなかったです)
中国語で探す
中国語での検索はGoogleを使わず、百度を使用
中国のものを中国語で検索するとき、最も強い検索サイトは「百度(http://www.baidu.com/)」です。百度と書いてバイドゥと読みます。
日本でおなじみのGoogleは、中国から締め出されているので当てになりません。
この百度に中国語で「日本語教師 日本人 求人」みたいなワードを入れて検索しました。
実際に検索に使った中国語のキーワードは、
「日语外籍教师」(日本語外国人教師)、「日语老师」(日本語教師)、「外教」(外国人教師)、「招聘」(募集)でした。
中国語ができなくても、Google翻訳を使って検索ワードを中国語にすれば十分できると思います。
2023などの年度を入れないと、過去の募集情報も出てくるので、入れて検索したりしなかったりしました。
過去の募集情報は、やはりどの大学が過去に募集を出していたかを見ていました。過去に募集を出していれば、同じ方法で再び出してくる可能性があるからです。
検索していくと、実際の募集ページがヒットしたりもします。
そこでは、募集自体にはもちろん注目しましたが、他にもサイトのどういった場所に募集記事を載せているかを見ました。
国际交流合作处(大学本部の国際交流センター)だったり、外国语学院(外国語学部)の通知広告の場所だったり。
こうして検索するうちに大学のどのページを見ていけば、求人広告にたどり着けるかを学習していきました。
大学のページを直接訪問
百度でキーワード検索をしていくうちに、大学のどのページを見ていくのかだんだんとコツがわかってきました。
そのうちにキーワード検索に加えて、大学の名前でも検索して大学のページ内で探すようにもなりました。(「北京大学」など。)
しかし、中国には日本語を教える大学は相当多いです。大専と呼ばれる職業技術学校を入れると、その数はおよそ3,000あります。
そのような中から、どう探していったのかを書いてみます。
大学ランキングから大学を探索
中国にある大学を全部見ていてはキリがないので、「自分の場合は行きたい省名」+「ランキング(排行榜)」で上位の大学から見ていきました。
下の画像は、山東省の大学ランキングです。
「中国海洋大学」と聞くと、日本語とは縁がないように思いますが、この大学にも外国語学部に相当する外国語学院があって日本語学科もあります。
中国では理系の専門大学と思われるような名前でも文系学部を設置していて、総合大学化しているところが多いです。
それなので、理系の大学と思われる大学でも、それぞれの大学のページを見ていました。
過去の募集情報を参考
もう一つは、過去に募集のあった大学のページを見に行くことです。
「日本語で探す」で挙げた「日本語教師の集い」や「NIHON MURA(日本村)日本語教師・職員求人情報」では、過去の募集情報も見られるので、そこの過去情報から大学をリスト化したり、また中国語で探したときに検索で出てきた過去に募集を出していた大学をリスト化していました。
そのリストから大学名を中国語で検索ワードに入れて、大学の公式ページを見に行きました。
大学の公式ページではここを見た
めぼしい大学を見つけて、さてどこを見たかというと。
先ずは各学部のページへ行きました。
大学本部のページのメニューには、「组织机构」という組織紹介のメニューがあったりして、その中の「学院设置」とか「院系设置」という名前で各学部の紹介や個別ページへの誘導がされています。「组织机构」というメニューがなく、直接「学院设置」とか「院系设置」のメニューを置いている大学も多かったです。
その「学院设置」とか「院系设置」のページから「外国語学院」をクリックすると、外国語学部のページに飛びます。
下の画像は、山東大学のホームページの例です。
各学部にはそれぞれのページがあり、どんな教育が行われているかの説明や学部に所属している教員の紹介、また学部からのお知らせが載っています。
日本語教員を募集するのは、外国語の学部が多く、募集の案内もここで通知されている場合が多かったです。
下の画像は、山東大学の外国語学院のホームページのメニューのスクリーンショットです。
ここでは、「通知公告」というメニューに各お知らせが掲載されています。
また他にも、先に挙げたブログで説明されていたように「国际交流合作处」の「通知公告」で募集が発表されていたり、「人才招聘」という人材募集のメニューがあり、そこで募集が発表されている大学もありました。
下の画像は、北京郵電大学の例です。
この大学は、「人才招聘」のページの中に人文学院の日本語教師募集の通知がありました。
各大学によって求人を載せていてもバラバラだったり、載せていなかったり、更新がほとんどされていなかったりと、本当に様々で空振りも多かったです。
しかし、日本語では探し当らない情報も結構あったので、見つけた時は達成感がありました。
中国の人材紹介会社のサイトを探した
中国語で検索していた時に日本語ではなく英語教師の募集が出てきました。
そのページは中国で主に英語の外国人教師を派遣している紹介会社のものでした。
その記事は英語で書かれていたので、その記事内を英語で「Japanese teacher」とキーワードを入れると、いくつかの学校が出てきました。
それで、中国にある人材紹介会社を見るというのも有効だろうと思っていくつか探し、見ていました。
その時見ていたサイトは、次のサイト。
ISAC外教招聘网
ISAC外教招聘网は深圳の深圳市伦多教育科技有限公司が運営しています。
ここはいくつかの大学と提携して、外国人教師を送り込んでいるようです。
このサイトの「友情链接」というリンク紹介から様々な人材紹介サイトを知ることができました。
いろいろなサイトが紹介されていましたが、どのサイトも作りはほぼ同じでした。
ただ、検索結果の内容はすべて違っていました。
China Foreigner Jobs
China Foreigner Jobsは、英語のサイトでトップページに検索窓があり、そこに「japanese」と入れて検索していました。
外教聘
外教聘は、トップページに検索窓があり、そこに「japanese」や「日语外教」と入れて検索していました。
CHINA UNIVERSITY JOBS
CHINA UNIVERSITY JOBSは、英語のサイトだったので、トップページの「search job」を押して検索窓から英語で検索していました。
このサイトを開くと、音が出るので注意してください。
まとめ
中国語で検索すること自体は難しくないのですが、各大学内のページを探し回るのは骨が折れました。ただその分その情報にアクセスする人は限られるので、就職活動は少しでも有利になるのではないかと思います。
めんどくさいですが、日本語の情報だけしか見ていない人には中国語で検索するのは結構おすすめです。